2018.11.23 二度目の波浮港
波浮港へやってまいりました。
前回に訪れた時は、波浮港見晴台から波浮港の美しい姿を望んで終了だったのですが、今日は港まで足を運んでみました。
港に足を踏み入れてまず感じたのが、「鵜飼商店」のコロッケの香りでした。
コロッケを揚げているいい匂いが漂っていました。
そして鵜飼商店の近くに、上の写真のような「波浮の港」の歌碑がありました。
伊豆大島で暮らしていると、「波浮の港」の曲をもし知らなかったとしても、そのメロディくらいは口ずさむ事が出来るようになるのではないでしょうか。
なぜなら、毎日必ず17時(正確には17時02分)になるとこの「波浮の港」が無線から流れてくるからです。
私だって、実は歌えてしまいます(笑)
波浮港は寛政12年(1800年)に、秋廣平六によって開拓され、「風待ちの港 波浮港」が開港し、大変栄えました。
そしてその港町には、明治・大正・昭和の初期にかけて、与謝野鉄幹、与謝野昌子、大町桂月、林芙美子、幸田露伴、土田耕平など、様々な文人、墨客が保養や観光、あるいは作品を執筆するために訪れ、波浮港を題材とした貴重な作品も残しております。
そんな波浮の港を愛する方々の尽力のもと、随所に文学碑も建てられ、「文学の散歩道」もそんな波浮の港を愛する方々によって造られたそうです。
せっかくなので登ってみましょう。
からくり人形
文学の散歩道を登ってみてすぐに見えて来たのがここ「踊り子の里資料館」でした。
この資料館は、元々「みなとや旅館」という宿泊施設で、あの川端康成の代表作「伊豆の踊子」の中で登場する踊り子のモデルとなった女性(芸者)が、ここで踊っていたとされているそうです。
いきなり歴史を感じますね。
今は旧みなとや旅館となり、踊り子の里資料館として残されております。
中に入ってみると、何となく全体的に狭く、古いので、歩くのが少々怖いです。
2階にあがると、からくり人形もあり、ボタンを押すと動き出します。
実際にここで文豪たちが宴を楽しんでいたのか?と思うと、今自分が同じ場所を歩いていることに不思議さを感じます。
正面に「旧甚之丸邸」 冷たいたい焼きで有名な「島京梵天」
踊り子の里資料館を出て、更に階段を上ってみました。
すると目の前に「旧甚之丸邸」が見え、突き当たりを左に行くと、「島京梵天」が見えました。
あの「冷たいたい焼き」で有名なお店ですね。
まず、「旧甚之丸邸」へ行ってみることにしました。
きっと当時としても、立派な建物だったのでしょうね。
そんな建物が、そのまま残されているなんて、とても貴重ですね。
入口付近の看板には・・・
「旧甚の丸邸は、明治時代に建築されました。
この一帯は当時の波浮港地区の政治・経済の中心地でもありました。
ここには、住居部分と倉庫があり、1階が生活する場所。2階は、蚕を飼育し繭(マユ)の生産をしていました。」
と、書かれていました。
先ほど訪れた「旧みなとや旅館」に滞在していた旅の芸人一座は、この大島で暮らしている間、旧みなとや旅館で芸を披露するだけでなく、旧甚之丸邸に訪れたお客に対しても接待を行っていたそうです。
なるほど、近いしね。
でも、その蚕を育てていたと言う旧甚之丸邸の2階へ上ってみたのですが、階段がものすごく急でかなり怖いです。
登ってみる方は気を付けて下さいね。
ちなみに、2階は特に何か変わったものがあるという訳ではありませんでした。
旧甚之丸邸を出て、お昼ご飯を食べるために、港の方へ降りることにしました。
階段を下りている時に垣間見える波浮港がとても美しいです。
いつまででも見ていられそうです。
食事を終えた後、波浮の港の風情佇む町並みへと来てみました。
洗濯物などが干してあるのを見ると、現在もこの町並みは息づいているのですね。
かつては遠洋漁業の風待ちの港と言われた、波浮港。
当時はかなりの賑わいを見せていたのでしょう。
今は静かに歴史を守っている町ですが、かつてここに名を残す文豪たちが訪れていたのかと思うと、何とも趣深く、味わいがあります。
ちなみに、今日は車では無く大島バスにて波浮港に来てみたのです。
帰りのバスまで、あと少しの時間しかなく、最後にちょっとだけ行ってみたい場所があったので訪れてみました。
知らなかったのですが、伊豆大島には「七福神巡り」というものがあるようです。
大島のあちこちに七福神様が点在しており、すべて回ると大島を一周する形になるそうな。
へぇ~全て回ることが出来たら、御利益がありそうですね。
ですが、実はこの「波浮七福神」の場所へ来ることが出来たのは偶然でした。
最後に行ってみたい場所というのは、「利島」「新島」「三宅島」の見えるスポットだったのです。
そのスポットを探しているうちに、この波浮七福神を見付けたのです。
そこから見える島々は大変幻想的で、やわらかく雲間から陽の差す様は絵画のようです。
しばらく眺めてから、無事に大島バスへと乗り込み、家路へとつきました。
今日は時間も限られていましたが、今度訪れた際には、藩主の眠るお墓というものがあるらしく、そこへも行けたらなと思ってます。
それと、偶然にも七福神様に出会えたので、七福神巡りをしてみてもいいかも知れませんね。
[su_note note_color="#f8faa3″]■関連記事■
・2018.06.30 波浮港
・2019.12.08 三度目の波浮港
・鵜飼商店
・島京梵天
・港鮨
[/su_note]