2019.05.06 裏砂漠 第1&第2展望台
日本地図の上で、唯一「砂漠」という表記のある場所、「裏砂漠」。
「伊豆大島の象徴ともいえる三原山の度重なる噴火によって降り注いだマグマのしぶきが大地を焼き、植物を燃やし、一面黒い世界を作り上げています。
噴火後も風が強く吹きぬける場所であるため、植物が定着しにくく、いわゆる“砂漠”的な光景がひろがっています。」との事。
日本で唯一の砂漠を、自分の目で確かめてみたいと常々思っていました。
そして今日、ようやく来ることが出来ました。
砂漠への入口は、大島一周道路を走っている途中にありました。
波浮港から南へ走っていると、左手に上の写真のような「月と砂漠ライン入口」と書かれた看板があり、どうやらここから駐車場まで車で走って行かれるようです。
※裏砂漠一帯は特別保護地区および特別地域という自然保護のための国の規制がかかったエリアの為、車両の乗り入れはできません。ですので、駐車場からは歩いて裏砂漠へ向かいます。
先ほどの「月と砂漠ライン入口」の看板から、細い道をひたすら走り、ようやく駐車場まで辿り着きました。
走って来た道はとても細く、向こうから対向車が来たら終わりだなと思うほど、ちょっと怖い道でした。
1台だけ対向車と出くわしてしまいましたが、相手の方の運転がうまく、少し広い道のある場所までバックしてくれました。ありがとうございます。
おかげ様で無事に、駐車場まで辿り着くことが出来ました。
駐車場に立てかけてあった看板には、
「月と砂漠ライン駐車場 第1展望台まで約0.7キロ(約10分) 櫛形山頂上の第2展望台まで約1.2キロ(約18分)」
という案内が書かれておりました。
よし、行くか!
車両進入禁止チェーンがかけられていた場所から先へ歩いて行くと、上の写真のような道が続きます。
歩いてるとき、服に小さな虫が付いたりしました。
もし暑い夏とかに来たら、結構虫が出そうだなと思う雰囲気でした。
歩いていると、またチェーンのかけられた場所に出ました。
もちろん進入禁止という訳ではないので、ここはまたいで先へ進んで大丈夫です。
先へ進むと、また細い道が続きますが、そこを超えると一気に砂漠感の強い場所へ出ます。
そしてこの絶景!
足元には、黒い火山岩(スコリア)が覆い、歩くとジャリッジャリッという音がします。
歩いてすぐのところに、なんと「もく星号遭難の地」という看板が立てかけられていました。
「もく星号墜落事故」が発生したのは、1952年4月9日早朝の事です。
羽田発の大阪経由福岡空港行きの「日本航空301便(もく星号)」で、 羽田を午前7時42分に離陸したもく星号は、直後に消息を絶ち、 翌日の朝に同僚機「てんおう星号」によって、伊豆大島の三原山山腹に墜落しているのが確認されたという事故です。
看板には、「もく星号遭難の地 わが国初の旅客遭難機となった日本航空「もく星号」は乗員4名乗客33名を乗せ大阪経由福岡行きとして羽田空港を飛び立ちましたが、事故当日の天候は極めて悪く視界ゼロに近い状況であったため、この地に衝突したとされています。乗客乗員37名がその犠牲となりました。昭和27年4月9日のことです。 大島町」と書かれていました。
今年で、このもく星号墜落から67年目をむかえます。
犠牲となられた乗客乗員37名の御冥福を御祈りに、毎年、日本航空幹部が来島しており、今年も航空慰霊碑建立地を訪れ、献花・焼香をされていったようです。
航空慰霊碑は、ご遺族の方がいつでも足を運べるよう、歌の茶屋前南を約20m登った東側に、昭和28年10月、内輪山を向いて建立されたそうです。
碑文には、「昭和27年4月9日、日航もく星号がここ三原山頂に於て遭難し、内外人37名の方がたが犠牲となられました。吾等は不祥事再び繰り返すことなきを期し、遭難者の冥福を祈り且航空技術の向上発展を念願して、江湖の御賛助の下ここに建碑する次第であります」とあり、亡くなられた37名全員の氏名が彫られております。
もく星号遭難の地より更に先へと歩いて行くと、「裏砂漠第1展望台」の看板が見えてきました。
と言っても、想像するような展望台は特になく、ただそこに第1展望台と書かれた看板があるだけの場所でした。
しかしながら、ここから見える景色は本当に素晴らしかったです。
本当に何も遮るものがなく、そのためか風は強いですが、360度どこを見渡しても「自然」「自然」「自然」の大自然で、一面に黒い地表と、向こうには青い海が見える絶景です。
目の前の圧倒的な大自然に心が打たれますし、パワースポットと呼ばれれている理由もよく分かります。
ここまできたら、もちろん第2展望台へも向かってみます。
風の音と、ジャッジャッという自分の歩く音しか聞こえず、更に歩いてる場所は日本で唯一の「砂漠」表記のある裏砂漠。
そして、第2展望台のある、歩いてる先の櫛形山と、左手には三原山の内輪山やカルデラなどが見えて、それを眺めながら歩くのは、なんとも贅沢です。
第2展望台に到着です。
三原山方面を見ると、まるで巨大なクレーターのようなカルデラを見渡すことが出来ます。
あぁ、ここから見る朝日とか夕陽とか、綺麗だろうな~、とヨダレが出てきそうです。
ゴツゴツとした大きめの岩が見える第2展望台。
なんとそこに、こんな「令和」の文字が!
発見したとき、つい笑ってしまいました。ずいぶんと器用な方がいらっしゃったのですね。
せっかくなので、第2展望台より先へも進んでみました。
特に何がある訳でもなく、ただそこに大自然が広がっているだけなのですが、心は弾み、ついつい黒い大地へと、引き寄せられる気持ちになるのです。
ここが「裏砂漠」かぁ~。
しばらくこの場所で、圧倒的な大自然に身をまかせていました。
そろそろ戻ろうかと、また第2展望台へ向かって歩いてるとき、キラッと光る石がこの裏砂漠には沢山あることを知りました。
上の写真のような、キラッと光る火山岩が本当に沢山あって、ついつい眺めてしまいます。
また来た道をのんびり戻ります。
ただ、帰るころには、ちょっとお手洗いにいきたくなっていました。
ここにはもちろんお手洗いなどないので、次回また来る時には、ちゃんとお手洗いに寄ってから来ないとななんて思いました。
月と砂漠ラインの駐車場からの帰り道を写真に撮ってみました。
車1台がやっと通れるような細い道と、所々に少し幅のある道もありましたが、だいたいはこの写真のような道でした。
帰り道では対向車に出会わずに、この道を抜けることが出来ました。