2019.04.21 東京都まちかど庭園

「東京都まちかど庭園」に立ち寄ってみました。
ここは元町港から近い場所にあり、船の利用が元町港になった際に、自宅までの道のりで必ず通り過ぎる場所で、前から気になっていたところでした。

じっくりと見た事もなかったのですが、改めて案内板を見てみると、何とも歴史を感じさせる内容でした。

■看板に記載の文章■
「元町に浜の川(ハマンカー)と呼ぶ共同の大井戸が南北二個所にある。昔ハマンカーの島娘達で賑わう朝夕の水汲み風景は、大島の風物詩の一つであったという。

 このハマンカーは弘化時代(1844-48)伊東の職人達に掘られたもので、丸石で円形に築かれたその技術は、驚愕に値するものがある。

 ところで、元町井堀家の「井戸の掘削に成功した先祖がその功を称され、為朝公より井堀の姓を賜った」という伝承もある。
 『伊豆大島志考』も「弘化以前にも小さな浜井戸があった・・・」と記している。

 かつて、岡田、野増、差木地、波浮港にも見られた、貴重な生活用水の供給減”ハマンカー”も、今はすべて閉鎖され、その姿すら失われようとしている。」

今や蛇口をひねれば水が出るという有難い生活をしていますが、まだ水道が整備される前はこうしてハマンカーと呼ばれる大きな井戸が島の各地にあって、そこから水を汲むあんこさんの姿が日常だったという事ですね。
現在でもあんこさんと言えば、特徴的な作業着と、大きな桶を頭に乗せて歩く姿が連想されますし、あんこさんの手踊りでもこうした姿を見ることが出来ますもんね。
そう思うと、伊豆大島では現在でもPR活動をする際に、あんこさんの格好をして表現しますから、歴史や文化を次の世代、また次の世代へと繋いでいっているという事なんですね。

この「東京都まちかど庭園」の奥に行くと階段があり、それを登った先には、「皇室御来島の記念碑」がありました。
その位置から見る公園は、遠くの方に元町港も見える、小さいけど美しく可愛い公園でした。

ところで、そのハマンカーと呼ばれる大井戸の「跡」というのは、今はこの東屋のようになっている場所にあったという事なのでしょうか。
日々、何気なく通り過ぎていた小さな公園に、このような歴史があったなんて、何だか感慨深いです。

Posted by sima-life